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RLB222701
ナノシリコンの最新技術と応用展開
販売価格(税込):
71,500
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Pt
■体裁:B5判、245ページ
■発刊:2010/06
■ISBNコード:978-4-7813-0204-1
■シーエムシー出版
★ "量子効果"を発揮するナノサイズ化されたシリコン,その機能探索と応用展開を詳細に解説した初の技術書!
★ 大きな可能性を秘めた新素材ナノシリコンの"光・電子・音"に注目が集まる!
★ ディスプレイ,照明,太陽電池などへの応用研究が多くの企業で精力的に進行中!
【著者】
越田信義 東京農工大学大学院 工学府 特任教授;(株)カンタム14
和田一実 東京大学 大学院工学系研究科 マテリアル工学専攻 マイクロフォトニクス研究室 教授
冨士田誠之 京都大学 大学院工学研究科 電子工学専攻 講師
野田 進 京都大学 大学院工学研究科 電子工学専攻 教授
B.Gelloz 東京農工大学大学院 工学府 特任助教
小山英樹 兵庫教育大学 大学院学校教育研究科 教授
諏訪雄二 (株)日立製作所 基礎研究所 主任研究員
斎藤慎一 (株)日立製作所 中央研究所 主任研究員;SORST JST
平野喜之 NHK放送技術研究所 特許部 専任エンジニア
田部道晴 静岡大学 電子工学研究所 教授
Moraru Daniel Ioan Shizuoka University,Research Institute of Electronics,Scientific Researcher
藤井 稔 神戸大学 大学院工学研究科 教授
森 伸也 大阪大学 大学院工学研究科 電気電子情報工学専攻 准教授
高橋庸夫 北海道大学 大学院情報科学研究科 情報エレクトロニクス専攻 教授
安藤裕一郎 九州大学 大学院システム情報科学府 電子デバイス工学専攻
宮尾正信 九州大学 大学院システム情報科学研究院 教授
内田 建 東京工業大学 大学院理工学研究科 電子物理工学専攻 准教授
水田 博 Professor of Nanoelectronics,School of Electronics and Computer Science,University of Southampton
土屋良重 Lecturer,School of Electronics and Computer Science,University of Southampton
須田良幸 東京農工大学 大学院工学研究院 教授
小島 明 (株)クレステック 開発部 主幹研究員;東京農工大学 客員准教授
大井英之 (株)クレステック 代表取締役社長
櫟原 勉 パナソニック電工(株) 先行技術開発研究所 微細加工プロセス研究室 副参事
根岸伸安 パイオニア(株) 研究開発部 HEED開発部 HEED開発課 主任研究員
太田敢行 東京農工大学大学院 工学府 産学官連携研究員
渡部祥文 パナソニック電工(株) 情報機器開発部 技師
木原 隆 (株)山武 研究開発本部 研究開発リーダ,アシスタントマネージャ
佐藤慶介 ボローニャ大学 物理学科 Research Fellow
小田俊理 東京工業大学 量子ナノエレクトロニクス研究センター 教授
白樫淳一 東京農工大学 大学院工学研究院 准教授
竹田精治 大阪大学 産業科学研究所 教授
河野日出夫 大阪大学 大学院理学研究科 物理学専攻 准教授
【序文】
シリコンのデバイス技術は,高集積化を縦軸に,高性能化を横軸として数10年にわたって進化を続け,電子情報端末・機器・システムなどのあらゆる分野に波及してきた。それを主導してきた微細化技術はすでにナノテクノロジーの性格を帯び,扱うサイズは約5nmを指標とする量子サイズ領域に近づきつつある。超微細化にともなうプロセスや動作上の問題が生じ,ロードマップの先のデバイスイメージについては模索が続くにしても,技術の大きな流れは止まらないであろう。
何度か繰り返されてきたシリコンデバイス技術の革新の場面では,プロセス,材料,デバイス物理,設計に共通して,連続性と不連続性が常に交差しているように思われる。両者がうまくかみ合ったときに,量と質にわたる大きな飛躍が生まれてきた。量子サイズが視野に入る程度にまでシリコンデバイスの微細化が進む中,革新を求めうるとすれば技術の連続性と不連続性はどこにあり,次の道筋をどう見つけることができるであろうか。
このような問題意識のもと,本書は,量子サイズや量子構造のシリコンに焦点を当て,その機能探索と応用研究の動向をまとめたものである。量子サイズ領域では,半導体の最も基本的な物性値であるバンドギャップが拡大する。それによってバルクシリコンにはなかった特性が生まれ,あるいは本来の性質が強まったり,失われたりする。
本書では,序章でナノシリコンの応用可能性について概観した後,第1章でフォトニクス,第2章でエレクトロニクス,第3章でアコースティクス,第4章でバイオ応用について,第5章ではこれらの基本となるプロセス技術について,研究開発の状況を第一線の方々にまとめていただいた。ご執筆下さった皆様に深く感謝申し上げます。
デバイスの基幹材料であるシリコンは,超LSIをはじめ,光応用,MEMS,バイオ分野で今後ますます重要になっていく。別の顔をもつシリコンとして,ナノシリコンの特異な機能がバルク本来の特性と融合し,新しいデバイスの開発につながることを願っている。本書がその一助となれば幸いである。
(「はじめに」より)
2010年5月 越田信義
【目次】
序章 ナノシリコン応用の最新動向(越田信義)
1. はじめに
2. ナノシリコンの形成と機能
3. 表面終端制御の重要性
4. 可視発光とフォトニック応用
5. 弾道電子放出
6. 熱誘起超音波発生
7. 生体との適合性
8. まとめ
第1章 フォトニクス
1. シリコンフォトニクス(和田一実)
1.1 はじめに
1.2 素子研究の現状
1.3 ITへの応用
1.4 終わりにかえて
2. シリコンフォトニック結晶(冨士田誠之、野田進)
2.1 はじめに
2.2 シリコンフォトニック結晶からの発光現象
2.3 シリコン光ナノ共振器からの発光現象
2.4 おわりに
3. ナノシリコン発光材料・デバイス(B.Gelloz、小山英樹)
3.1 はじめに
3.2 Siナノ結晶材料の作製
3.2.1 ポーラスシリコンの作製法と構造
3.2.2 その他のSiナノ結晶材料
3.3 フォトルミネッセンス
3.3.1 S発光の特性
3.3.2 酸化に起因した青色発光
3.3.3 発光効率の改善
3.3.4 PLの安定化
3.4 エレクトロルミネッセンス
3.4.1 PSiのEL
3.4.2 その他のSiナノ結晶材料のEL
3.5 興味深い現象と応用
3.5.1 負性抵抗効果と不揮発性メモリー効果
3.5.2 PLを利用したセンサーとイメージング
3.5.3 光学異方性
3.5.4 レーザー色素とのコンポジット材料
3.6 まとめ
4. シリコン量子構造の光増幅(諏訪雄二、斎藤慎一)
4.1 シリコン発光と光吸収
4.2 シリコン発光素子の光増幅実験
4.3 シリコン(001)薄膜の光増幅
4.4 まとめ
5. ナノ構造シリコンの光導電(平野喜之)
5.1 はじめに
5.2 ナノ構造シリコンで期待される光導電特性
5.3 ナノ構造シリコン光導電膜の作製方法
5.4 ナノ構造シリコンの光導電特性
5.5 おわりに
6. シングルフォトン検出(田部道晴、Moraru Daniel Ioan)
6.1 はじめに
6.2 量子構造フォトン検出器(化合物半導体の例)
6.2.1 量子ドット型フォトン検出器
6.2.2 量子ポイントコンタクト型フォトン検出器
6.3 量子構造Si系フォトン検出器
6.3.1 Si単電子トランジスタによるフォトン吸収の効果
6.3.2 Si多重接合単電子(単正孔)トランジスタによるフォトン検出
6.3.3 単電子フォトン位置検出器
6.3.4 赤外線検出器
7. ナノシリコンの光増感作用(藤井稔)
7.1 はじめに
7.2 ナノシリコンの酸素分子に対する光増感作用(一重項酸素の生成)
7.3 ナノシリコンの希土類イオンに対する光増感作用
第2章 エレクトロニクス
1. キャリア輸送(森伸也)
1.1 はじめに
1.2 キャリア輸送の基礎
1.2.1 電子状態
1.2.2 散乱機構
1.3 ナノシリコン列のキャリア輸送
1.3.1 ナノシリコン列
1.3.2 電子状態
1.3.3 散乱機構
1.3.4 準弾道電子輸送
2. 単電子デバイス(高橋庸夫)
2.1 はじめに
2.2 単電子トランジスタ(SET)の動作原理
2.3 単電子デバイスの特徴
2.4 単電子デバイスの作製方法
2.5 単電子デバイスの応用
2.5.1 SETを用いた論理機能応用
2.5.2 電子1個を用いた応用
2.6 まとめ
3. 強磁性ホイスラー合金の原子層制御エピタキシャル成長とSiGeスピントロニクス(安藤裕一郎、宮尾正信)
3.1 はじめに
3.2 強磁性シリサイドの原子層制御エピタキシャル成長
3.3 ショットキー障壁の制御とスピン注入
3.4 混晶エンジニアリングによるハーフメタル材料の創成
3.5 おわりに
4. ナノCMOSデバイス(内田建)
4.1 はじめに
4.2 (100)および(110)バルクMOSトランジスタ
4.2.1 (110)MOSトランジスタ
4.2.2 (100)/(110)MOSトランジスタにおける歪み技術
4.3 3次元構造トランジスタ
4.4 まとめ
5. NEMSとナノデバイス(水田博、土屋良重)
5.1 技術的な背景
5.2 サスペンデッドゲートFET(SGFET)
5.3 高速・不揮発性NEMSメモリ
5.4 NEM-MOSハイブリッドセンサー
5.5 NEMSハイブリッドデバイスの微細化と将来展望
6. トンネルデバイス(須田良幸)
6.1 トンネルデバイスの基本構造と動作原理
6.2 Si/Ge系のバンドエンジニアリング
6.3 Type IIヘテロ構造のための歪緩和
6.4 Si系ITD、RTD、RITD
7. 弾道電子エミッタによる並列EBリソグラフィ(小島明、大井英之)
7.1 一括電子線露光開発の背景
7.2 ナノシリコンと弾道電子
7.3 シリコンナノワイヤアレイ弾道電子エミッタについて
7.4 弾道電子面放出素子による一括電子線露光方式の概要
7.5 パターン化されたナノシリコン弾道電子面放出素子の作製
7.6 弾道電子面放出素子の放出電子速度分布特性
7.7 一括露光実験の結果
7.8 結論
8. 弾道電子エミッタの気体中動作による真空紫外光発生(櫟原勉)
8.1 はじめに
8.2 弾道電子エミッタ
8.2.1 作製方法
8.2.2 弾道電子エミッタの特徴
8.2.3 ナノ構造解析
8.3 弾道電子エミッタの直接励起発光デバイスへの応用
8.3.1 真空紫外光の測定
8.3.2 直接励起発光
8.3.3 平面光源の試作
8.4 まとめ
9. 弾道電子エミッタの超高感度撮像への応用(根岸伸安)
9.1 はじめに
9.2 冷陰極HARP撮像板
9.3 撮像用エミッタアレイの要件
9.4 撮像用弾道電子エミッタアレイ Active-matrix HEED
9.5 HEED冷陰極HARP撮像板
9.6 まとめ
10. ナノシリコン電子源の水溶液中動作(太田敢行、越田信義)
10.1 はじめに
10.2 水溶液中における動作特性
10.3 むすび
第3章 アコースティクス
1. 熱誘起超音波発生(越田信義)
1.1 はじめに
1.2 動作原理
1.2.1 nc-PS層の熱的性質
1.2.2 動作機構と特徴
1.3 デバイスの作製と基礎特性
1.3.1 基本プロセスと素子構成
1.3.2 素子の駆動と音響出力の基本特性
1.3.3 温度上昇の高速性と一様性
1.3.4 指向性
1.3.5 長期安定性
1.4 応用開発に関わる特性
1.4.1 放射圧力の発生
1.4.2 超音波信号の再生能力
1.4.3 デジタル駆動への適合性
1.5 むすび
2. 超音波素子応用(渡部祥文)
2.1 はじめに
2.2 2層ポーラスシリコン構造による超音波発生の経時特性向上
2.3 空中3次元超音波センサ
2.4 超音波デジタル情報伝送の試み
2.5 おわりに
第4章 バイオ応用
1. タンパク質分析用基板(木原隆)
1.1 はじめに
1.2 DIOSの評価
1.2.1 DIOSとは
1.2.2 DIOSプレートによる質量分析
1.2.3 DIOS評価からの課題
1.3 nc-Siプレートの評価
1.3.1 nc-Siプレートとは
1.3.2 nc-Siプレートによる質量分析
1.4 まとめと今後の課題
2. 生体適合性と応用可能性(佐藤慶介)
2.1 はじめに
2.2 シリコンナノ粒子分散溶液の製造とその諸特性
2.2.1 シリコンナノ粒子分散溶液の製造方法
2.2.2 粒子表面状態
2.2.3 溶液内における粒子分散性
2.2.4 粒子サイズと光学的特性の相関
2.3 癌細胞ラベリングしたシリコンナノ粒子の毒性試験とイメージング特性
2.3.1 シリコンナノ粒子による癌細胞へのラベリング方法
2.3.2 細胞毒性試験
2.3.3 癌細胞イメージング特性
2.4 シリコンナノ粒子による生体内でのイメージング特性
2.4.1 生体内イメージング特性
2.5 おわりに
第5章 プロセス技術
1. プラズマ技術によるナノシリコンドットの作製(小田俊理)
1.1 はじめに
1.2 ナノシリコンドット作製の課題
1.3 VHFプラズマセルによるナノシリコンドットの作製
1.4 ナノシリコン界面の制御
1.5 ナノシリコンの集積配列・位置制御
1.5.1 グローバル集積配列
1.5.2 ローカル位置制御
1.6 まとめ
2. ナノシリコン構造形成SPM技術(白樫淳一)
2.1 はじめに
2.2 SPM局所酸化ナノリソグラフィー法
2.2.1 動的探針制御手法によるSPM局所酸化ナノリソグラフィー
2.2.2 10nm以下級SPM局所酸化ナノリソグラフィー
2.2.3 SPM局所酸化ナノリソグラフィーにおける酸化反応モデル
2.3 SPMスクラッチナノリソグラフィー法
2.3.1 20nm以下級SPMスクラッチナノリソグラフィー
2.3.2 SPMスクラッチナノリソグラフィーでの制御パラメータと加工痕サイズの関係
2.3.3 SPMスクラッチナノリソグラフィーにおける摩耗係数の評価とナノスケール構造体の作製
2.4 まとめ
3. シリコンナノワイヤ・チェインの作製技術(竹田精治、河野日出夫)
3.1 はじめに
3.2 金属ナノ粒子を利用した自己形成
3.3 シリコンナノワイヤ
3.3.1 水素終端面を利用する成長法
3.3.2 シリコンナノワイヤ成長の活性化エネルギー
3.4 シリコンナノチェイン
3.4.1 構造
3.4.2 生成の方法と機構
3.4.3 テンプレートとしてのシリコンナノチェイン
3.5 おわりに