商品コード: RLB222356

反応性高分子の新展開

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出版図書

■体裁:B5判、266ページ
■発刊:2005/05
■ISBNコード:978-4-88231-498-1
■シーエムシー出版

★ 時代の要請に対応した、反応性高分子の構成!
★ 新材料の創出を目指す方々に!
★ 第一線で活躍する研究者による執筆!

【著者】
遠藤 剛   山形大学 理事 副学長
落合文吾   山形大学 工学部 機能高分子工学科 助手
木原伸浩   大阪府立大学 大学院工学研究科 助教授
永井大介   山形大学 工学部 機能高分子工学科 博士研究員
山口宙志   JSR(株) 筑波研究所 PhD
三田文雄   京都大学 大学院工学研究科 高分子化学専攻 助教授
永井篤志   山形大学 工学部 機能高分子工学科 
森 秀晴   山形大学 工学部 機能高分子工学科 助教授
須藤 篤   近畿大学 分子工学研究所 講師
高田十志和   東京工業大学 大学院理工学研究科 有機・高分子物質専攻 教授
日野哲男   山形大学 大学院理工学研究科 生体センシング機能工学専攻 助手
淺野育洋   山形大学 工学部 機能高分子工学科 ポストドクター
山崎弘毅   山形大学 工学部 機能高分子工学科 ポストドクター (現)横浜ゴム(株) MB事業開発センター MB事業開発部
長澤智三   山形大学 工学部 機能高分子工学科 ポストドクター
大塚英幸   九州大学 先導物質化学研究所 助教授
横澤 勉   神奈川大学 工学部 教授
冨田育義   東京工業大学 大学院総合理工学研究科 物質電子化学専攻 助教授
西田治男   近畿大学 分子工学研究所 助教授
羽場 修   山形大学 大学院理工学研究科 生体センシング機能工学専攻 助教授
石戸谷昌洋   日本油脂(株) 筑波研究所 次世代技術担当部長
小松裕之   山形大学 工学部 機能高分子工学科

【序文】
 1989年、私は監修者として「反応性ポリマーの合成と応用」を出版した。その当時は高分子化学は頂上を極め、汎用ポリマーの時代から仕事(化学的、物理的)をする機能性高分子の時代へと変わろうとする時代であった。一方では有機合成の展開も目ざましく、数多くの液晶、種々の機能を有するモノマーを中心として数多くの機能性材料を創出し、高付加価値化、差別化された高分子材料の開発にも目が向けられていた時代でもあった。
 これらの材料を支えるものとして反応性高分子は重要な役割を果たしてきたと言えよう。最近ではIT産業の発展の下で、情報材料、電子材料等が中心的役割を果たし、その材料の設計も精密化し、分子のレベル、ナノのレベルから新しい材料を創出する流れが出来つつある。一方では、高分子材料の設計も益々精密化し、たとえば分子量の制御、立体規則性のコントロールと機能との関係の解明、Living重合による高分子のシークエンスコントロールと機能発現の解明、などまさに“分子工学”の世界の到来である。さらに材料技術の発展の中で忘れてならない問題は、環境、エネルギー問題である。“我々人間が住んでいる地球は人間の手で守ろう”。
 本書は私のかつての仲間、今の仲間の知恵を拝借して、独断で編集を試みた。各章で述べた材料の精密化、環境、エネルギー問題の観点からも味があり、料理の仕方によっては新材料の創出が可能と信ずる。
 最後にご多忙中執筆していただいた仲間に心から感謝を申し上げ、各章で展開した高分子が将来新材料として世に送り出されることを期待する。

2005年5月  遠藤 剛

【目次】

第1章 エポキシドと二酸化炭素を出発原料とする反応性ポリマーの設計
1. エポキシドと二酸化炭素の反応により得られる五員環カーボナートの合成およびポリヒドロキシウレタン合成への利用(落合文吾、遠藤剛、木原伸浩)
1.1 緒言
1.2 二酸化炭素を用いる環状カーボナートの合成
1.3 五員環カーボナートの開環重合
1.4 五員環環状カーボナートとアミンとの反応を利用したポリヒドロキシウレタンの合成と応用
1.5 その他の五員環カーボナートとアミンとの反応を利用したポリウレタン類の合成
1.6 総括ならびに将来の展望

2. ポリ(グリシジルメタクリラート)と二酸化炭素の反応による五員環カーボナート骨格を持つポリマーの合成(落合文吾、遠藤剛、木

原伸浩)
2.1 環状カーボナート構造を持つポリマーの応用
2.2 ポリ(グリシジルメタクリラート)と二酸化炭素の反応による五員環カーボナート骨格を持つポリマーの合成
2.3 総括ならびに将来の展望

第2章 エポキシドと二硫化炭素を出発原料とする反応性ポリマーの設計(永井大介、落合文吾、遠藤剛、木原伸浩)
1. 緒言
2. 二硫化炭素を用いる環状ジチオカーボナートの合成
3. 五員環ジチオカーボナートとアミンとの反応を用いる高分子合成
4. 五員環ジチオカーボナートの重合および異性化反応
5. 総括ならびに将来の展望

第3章 炭酸ガスの固定化材料と応用(永井大介、山口宙志、遠藤剛)
1. はじめに
2. 第一、第二アミンによる二酸化炭素の固定化反応
3. アミジン類および同骨格を有するポリマーによる二酸化炭素の固定化反応
3.1 アミジン類による二酸化炭素の固定化反応
3.2 アミジン骨格を有するポリマーによる二酸化炭素の固定化反応
4. 総括と将来展望

第4章 アミノ酸を出発原料とする反応性高分子
1. 主鎖および側鎖にアミノ酸構造を有する各種光学活性高分子の合成と高次構造(三田文雄、遠藤剛)
1.1 はじめに
1.2 主鎖にアミノ酸構造を有するポリマーの合成
1.2.1 ペプチドの合成
1.2.2 γ-ポリグルタミン酸の合成
1.2.3 ポリエステルの合成
1.2.4 ポリスルフィドの合成
1.2.5 ポリジスルフィドおよびマクロサイクルの選択的合成
1.2.6 アミノアルコールからの合成
1.3 側鎖にアミノ酸・ペプチド構造を有するポリマーの合成
1.3.1 ポリアクリルアミド・メタクリルアミドの合成
1.3.2 グラフトポリマーの合成
1.3.3 側鎖にへリックス構造を有するポリマーの合成
1.3.4 ポリメタクリル酸エステルの合成
1.3.5 ポリビニルエーテルの合成
1.3.6 1-ナイロンの合成
1.3.7 ポリホスファゼンの合成
1.3.8 ポリアセチレンの合成
1.4 おわりに

2. アミノ酸系高分子の新展開(永井篤志、落合文吾、森秀晴、遠藤剛)
2.1 アミノ酸から誘導する新規な光学活性ポリマーの合成
2.1.1 カチオン開環重合によるポリチオウレタンの合成
2.1.2 自己重付加反応による光学活性ポリウレタンの合成
2.2 アミノ酸N-カルボキシ無水物(NCA)を基盤とするポリアミノ酸合成の新展開
2.2.1 アミノ酸N-カルボキシ無水物(NCA)の新規合成手法
2.2.2 ブロック共重合体などの特殊構造ポリマーの合成と応用
2.2.3 固体表面からのNCAの重合による機能性表面の構築
2.3 リビングラジカル重合を利用した新規高分子構造体の構築
2.3.1 側鎖にアミノ酸構造を有する高分子の精密合成
2.3.2 配列規制されたポリペプチドを有するブロック共重合体の合成と応用
2.4 おわりに

第5章 易分解性ポリエステルの合成と応用(須藤篤、永井大介、遠藤剛)
1. はじめに
2. ケテンの入手法
3. ケテンとアルデヒドの交互共重合
3.1 背景
3.2 ケテンとアルデヒドの交互共重合における分子量制御
4. ケテンとアルデヒドの交互共重合による易分解性ポリエステルの合成
4.1 側鎖にフェノール性水酸基を有するポリエステルの合成
4.2 ポリエステルの熱分解挙動
4.3 ポリエステルの酸による分解挙動とフォトレジストとしての可能性
5. 重合における立体制御とそれによる分解性の制御
5.1 立体制御
6. 総括と将来展望

第6章 架橋時に非収縮性を示すネットワークポリマーの合成
1. 双環状ラクトンとエポキシドのアニオン交互共重合(三田文雄、高田十志和、遠藤剛)
1.1 はじめに
1.2 双環状γ-ラクトン類とエポキシドとのアニオン開環共重合
1.3 ネットワークポリマーへの応用
1.4 おわりに

2. ノルボルネンなど
   ―ノルボルネン骨格を有するスピロオルトエーテルならびに環状カーボナートを利用した体積非収縮性材料の開発―(日野哲男、

遠藤剛)
2.1 緒言
2.2 ノルボルネンスピロオルトカーボナートのカチオン開環重合挙動
2.3 ノルボルネンスピロオルトカーボナートおよび環状カーボナートを用いた単官能エポキシドとのカチオン開環共重合挙動
2.4 ノルボルネンスピロオルトカーボナートおよび環状カーボナートを用いたエポキシドおよびオキセタンとのカチオン開環共重合挙


2.5 ノルボルネン環状カーボナートのROMPを利用した体積非収縮性-膨張性材料の開発
2.6 その他―アダマンタン骨格を有するスピロオルトカーボナート―
2.7 おわりに

第7章 ゴムのオリゴマー化と反応性高分子への展開
1. オリゴマー化(淺野育洋、山崎弘毅、長澤智三、遠藤剛)
1.1 はじめに
1.2 加硫ゴムからのオリゴマー化の現状
1.3 ゴムの化学分解
1.3.1 超臨界トルエン
1.3.2 ギ酸と過酸化水素
1.3.3 オゾン
1.4 合成ポリイソプレンの熱分解によるオリゴマー化
1.5 合成ポリイソプレンの熱分解におけるチオフェノール添加効果
1.6 加硫ゴムのオリゴマー化
1.7 おわりに

2. 反応性高分子としての応用(山崎弘毅、遠藤剛)
2.1 天然ゴムを用いた反応
2.2 天然ゴムのリサイクル
2.2.1 低分子化加硫天然ゴム-スチレングラフト共重合体の合成
2.2.2 カーボンブラック入り低分子化加硫天然ゴム-スチレングラフト共重合体の合成
2.3 おわりに

第8章 弱い共有結合を利用した高分子の合成と反応(大塚英幸、遠藤剛)
1. はじめに
2. 解離反応が進行する反応性ポリマー
3. 挿入反応が進行する反応性ポリマー
4. 転位反応が進行する反応性ポリマー
5. 交換反応が進行する反応性ポリマー
5.1 動的共有結合
5.2 ポリアルコキシアミンの主鎖交換反応
5.3 大環状アルコキシアミンの反応
5.4 動的グラフト化反応
6. おわりに

第9章 ラジカル開環重合による反応性高分子の合成(三田文雄、遠藤剛)
1. はじめに
2. ラジカル開環重合性モノマー
3. おわりに

第10章 アレン類などの高不飽和モノマーの重合による反応性高分子の合成
1. アレン類のカチオン重合、ラジカル重合、共重合(横澤勉)
1.1 カチオン重合
1.2 ラジカル重合
1.3 双性イオン共重合
1.4 重付加

2. ニッケル触媒によるアレン類の重合(冨田育義)
2.1 はじめに
2.2 アレン類のリビング配位重合におけるモノマーの置換基の多様性
2.3 開始触媒の構造および溶媒の重合挙動への影響
2.4 リビング配位分散重合の開拓
2.5 一般性のよいリビング重合に基づく機能性高分子の設計
2.6 おわりに

3. 共役エンイン類の重合反応による反応性ポリマーの合成(落合文吾、遠藤剛、冨田育義)
3.1 緒言
3.2 共役エンイン類のラジカル重合
3.3 共役エンイン類のアニオン重合
3.4 共役エンイン類の配位重合
3.5 共役エンイン類から得られたポリマーの反応
3.6 総括ならびに将来の展望

第11章 平衡重合を利用したリサイクル材料の設計
1. 双環状エーテルおよび環状カーボネートの平衡重合(三田文雄、高田十志和、遠藤剛)
1.1 はじめに
1.2 各種汎用ポリマーの化学的リサイクル
1.2.1 ポリオレフィン
1.2.2 ポリ塩化ビニル
1.2.3 ポリメタクリル酸メチル
1.2.4 ポリエチレンテレフタレート
1.2.5 ポリアミド
1.3 平衡重合を用いるポリマーの解重合に関する最近の研究
1.3.1 α-メチルスチレンの平衡重合
1.3.2 アルデヒドの平衡重合
1.3.3 キノジメタンの平衡重合
1.3.4 双環状エーテルの平衡重合
1.3.5 環状カーボネート
1.3.6 酵素触媒重合・解重合
1.3.7 環状サルファイトの平衡重合
1.3.8 環状ジチオカーボネートの開環重合と得られるポリマーの解重合
1.4 おわりに

2. ラクチド(西田治男)
2.1 はじめに
2.2 ラクチドの平衡重合挙動
2.3 熱分解によるラクチドへの変換の研究経緯
2.4 PLLA解重合の制御
2.5 様々のポリラクチドの合成設計
2.6 おわりに

第12章 ポリマーからポリマーを創出する重合系の開発と応用(羽場修、遠藤剛)
1. はじめに
2. エキソメチレン基を有する1、3-ジオキソランのラジカル開環重合
3. 4-メチレン-1、3-ジオキソラン構造を側鎖に有するポリスチレン誘導体の合成と重合
4. 2位に置換基を有する1、3-オキサチオランのカチオン開環重合
5. 1、3-オキサチオラン構造を側鎖に有するポリスチレン誘導体の合成と重合
6. ポリマーからポリマーを創出する重合系の応用の可能性

第13章 固相担持型開始剤を用いた反応性高分子の合成(須藤篤、遠藤剛)
1. はじめに
2. 不溶性担体上でのリビング重合
2.1 不溶性担体を用いた有機合成(固相有機合成)について
2.2 重合系の設計
2.3 担持型重合の実際
3. 不溶性担体上での反応性高分子の合成とその高分子反応
4. リンカー部位の設計
5. まとめ

第14章 ヘミアセタール構造を利用した新規反応性材料の合成
1. ヘミアセタールエステルを利用した潜在化技術とその応用(石戸谷昌洋、遠藤剛)
1.1 はじめに
1.2 カルボキシル基のアルキルビニルエーテルによる潜在化
1.2.1 ヘミアセタールエステル化反応
1.2.2 多価カルボン酸ヘミアセタールエステル誘導体の性状
1.3 ヘミアセタールエステルの熱解離反応
1.4 ヘミアセタールエステルとエポキシドとの硬化反応
1.5 ヘミアセタールエステルの反応性ポリマーへの応用
1.5.1 自動車用耐酸性雨塗料への応用
1.5.2 耐汚染性塗料
1.5.3 液晶ディスプレー用コーティング材(カラーフィルター保護塗工液)
1.5.4 ノンハロゲン系反応性難燃剤への応用
1.5.5 鉛フリーハンダペーストへの応用
1.6 おわりに

2. ヘミアセタール構造を利用した熱潜在性触媒能を有する新規高分子材料の開発とその熱架橋挙動(小松裕之、日野哲男、遠藤剛)
2.1 緒言
2.2 ヘミアセタールエステルおよびオキセタン骨格を側鎖に有する新規熱潜在性自己架橋型ポリマーの開発
2.3 ヘミアセタールエステル骨格を側鎖に有する新規ポリマー群の熱解離挙動と高分子反応を用いた熱潜在性挙動
2.4 ヘミアセタールエステル骨格を側鎖に有するポリマーを用いた二官能性環状エーテルモノマーとの共重合によるネットワークポリマーの開発
2.5 まとめ
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