商品コード:
RLB223009
オメガ3脂肪酸の技術と市場
販売価格(税込):
88,000
円
ポイント:
800
Pt
■体裁:B5判・200頁
■発刊:2021年4月28日
■ISBNコード:978-4-7813-1604-8
■シーエムシー出版
【監修】
小川 順
【刊行にあたって】
オメガ3脂肪酸はかつてEPA,DHAなど魚類に豊富な脂肪酸が,その固有名詞をもって語られた。現在では,脂肪酸のメチル末端から数えて3番目の炭素-炭素結合に初めての二重結合が現れるものに対してオメガ3脂肪酸という言葉が使われている。
この背景には,EPA,DHA以外のオメガ3脂肪酸やその代謝物など,注目される化合物の構造・分子種がこれまでになく広がりはじめたこと,発揮する作用についても,多様な生理機能が見いだされてきたことがある。このためオメガ3脂肪酸関連市場は2027年には4.5億ドルへ拡大することが予想されている。
本書は抗炎症,抗アレルギー,動脈硬化予防,脂肪細胞の熱産生機能獲得などの効果のあるオメガ3脂肪酸の製造,理解,展開をまとめた。(「はじめに」より抜粋)
【著者】
小川 順 京都大学;学際融合教育研究推進センター
安藤晃規 京都大学;学際融合教育研究推進センター
奥田知生 京都大学
菊川寛史 静岡県立大学
阪本鷹行 徳島大学
櫻谷英治 徳島大学
岸野重信 京都大学
藤原昂平 慶應義塾大学;(国研)理化学研究所
磯部洋輔 (国研)理化学研究所
有田 誠 慶應義塾大学;(国研)理化学研究所;横浜市立大学
竹田浩章 (国研)理化学研究所
和泉自泰 九州大学
馬場健史 九州大学
守口 徹 麻布大学
原馬明子 麻布大学
石田 渓 (国研)医薬基盤・健康・栄養研究所;大阪大学
長竹貴広 (国研)医薬基盤・健康・栄養研究所
國澤 純 (国研)医薬基盤・健康・栄養研究所;大阪大学;神戸大学;東京大学;広島大学;早稲田大学
小倉正恒 国立循環器病研究センター研究所
後藤 剛 京都大学;学際融合教育研究推進センター
岩瀬麻里 京都大学
川原崎聡子 京都大学
高橋春弥 京都大学
野村 亘 京都大学;学際融合教育研究推進センター
井上和生 京都大学;学際融合教育研究推進センター
河田照雄 京都大学
河島 洋 サントリーグローバルイノベーションセンター㈱
【目次】
【技術編】
第1章 油糧微生物による種々のω3脂肪酸含有油脂の発酵生産
1 はじめに
2 Crypthecodenium sp.D31株によるDHA高含有油脂の発酵生産
3 Aurantiochytrium sp.T7株によるω3-DPA高含有油脂の発酵生産
4 Mortierella alpinaの分子育種株によるEPA高含有油脂の発酵生産
5 Mortierella alpine S14の分子育種株によるETA高含有油脂の発酵生産
6 おわりに
第2章 腸内細菌によるω3脂肪酸代謝と代謝物の生理機能
1 はじめに
2 水和化代謝
3 飽和化代謝
4 ω3脂肪酸の腸内細菌代謝物の生理機能
4.1 抗炎症作用
4.2 抗酸化作用
4.3 脂肪酸合成抑制効果
4.4 消化促進作用
5 おわりに
第3章 ω3脂肪酸から生じる脂質メディエーターの生理機能と代謝経路
1 はじめに
2 ω3脂肪酸由来の炎症収束性メディエーター(Specialized pro-resolving mediator;SPM)の生理機能
2.1 EPA由来の脂質メディエーター
2.2 DHA由来の脂質メディエーター
2.3 DPA由来の脂質メディエーター
3 ω3脂肪酸の機能性発現に関わる代謝経路
4 おわりに
第4章 ω-3脂肪酸含有脂質を識別する定量リピドーム解析技術
1 はじめに
2 リピドーム解析の現状
3 超臨界流体クロマトグラフィーを用いた脂質クラスの分離
4 構造異性体を識別する質量分析計の選択
5 定量分析技術の開発と応用
5.1 三連四重極型質量分析計を用いた脂質分子の定量分析
5.2 荷電化粒子検出器を用いた脂質クラスの定量分析
5.3 生体試料への適用例
6 おわりに
第5章 成長発達期における多価不飽和脂肪酸の相互作用
1 脳神経組織の発達
2 早産児,正期産で出生しても体重の低い新生児
3 マウス,ラットの人工哺育法
4 多価不飽和脂肪酸の代謝とω3系脂肪酸の必要性
5 食餌性ω3系脂肪酸欠乏マウスの作製
6 Δ6不飽和化酵素欠損(D6D-KO)マウス
7 多価不飽和脂肪酸のそれぞれの働きについて
7.1 身体形成における多価不飽和脂肪酸の働き
7.2 脳機能における多価不飽和脂肪酸の働き
7.3 脳組織の多価不飽和脂肪酸組成
8 多価不飽和脂肪酸の摂取バランスについて
9 おわりに
第6章 ω3脂肪酸代謝物に見出された新たな抗炎症・抗アレルギー作用
1 はじめに
2 ω3脂肪酸の代謝
3 EPA代謝物17,18-EpETEに見出された食物アレルギー抑制効果
4 17,18-EpETEのアレルギー性皮膚炎に対する有効性と作用機序の解明
5 17,18-EpETEの立体異性体に着目した構造活性相関
6 EPA代謝物15-HEPEによるアレルギー性鼻炎抑制効果
7 ω3 DPA代謝物14-HDPAによる母乳を介した仔マウスの接触皮膚炎の軽減
8 おわりに
第7章 ω3脂肪酸と動脈硬化予防
1 はじめに
2 ω3脂肪酸の脂質代謝への影響
2.1 血中脂質の量に及ぼす影響
2.2 血中リポタンパクの質に及ぼす影響
3 動脈硬化性疾患予防のエビデンス
3.1 魚食習慣と心血管イベント
3.2 心血管リスクマーカーとしてのEPA/AA比
3.3 介入試験による心血管イベント抑制効果
3.4 なぜω3脂肪酸と心血管イベントの関連は一定しないか?
3.5 ω3脂肪酸の腸内細菌代謝物の研究
4 おわりに
第8章 褐色脂肪組織機能に対する脂肪酸・脂肪酸代謝物の効果
~ω-3脂肪酸を中心に~
1 褐色脂肪組織の機能
2 ω-3脂肪酸・その代謝産物による褐色脂肪組織機能亢進とそのメカニズム
2.1 ω-3脂肪酸摂取による褐色脂肪組織機能の活性化
2.2 ω-3脂肪酸摂取時の褐色脂肪組織機能亢進のメカニズム
3 その他の脂肪酸・脂肪酸代謝産物による褐色脂肪組織機能調節
4 おわりに
第9章 ω-3脂肪酸の食品への応用
1 はじめに
2 ω-3脂肪酸を用いた食品
2.1 DHA,EPAを用いた食品
2.2 α-リノレン酸を用いた食品
3 栄養素としてのω-3脂肪酸
3.1 摂取状況
3.2 目安量と目標量
4 ω-3脂肪酸と機能性表示食品制度
4.1 機能性表示食品制度の概要
4.2 DHA,EPAを機能性関与成分とする食品
4.3 α-リノレン酸を機能性関与成分とする食品
5 ω-3脂肪酸の機能性に関する最新の動向
5.1 機能性表示制度とω-3脂肪酸の機能性
5.2 循環器疾患リスクに関する最新情報
6 おわりに
【市場編】
第1章 脂肪酸の概要
1 脂肪酸の分類
1.1 炭素数に違いによる分類
1.2 構造の違いによる分類
1.3 トランス脂肪酸
2 脂肪酸の原料
2.1 植物油
2.2 動物脂
2.3 精製グリセリン
2.4 魚油
第2章 主な脂肪酸の市場動向
1 油脂原料(植物油)の生産動向
1.1 大豆油
1.2 菜種油
1.3 パーム油
1.4 パーム核油
2 国外の需給状況
3 国内の需給状況
3.1 植物油(植物油脂)
3.2 動物性油脂
4 脂肪酸(工業用)の動向
4.1 需給状況
4.2 脂肪酸のメーカー
第3章 ω-3系脂肪酸の市場
1 概要
2 ドコサヘキサエン酸(DHA)
2.1 概要
2.2 製法
2.3 市場規模
3 エイコサペンタエン酸(EPA)
3.1 概要
3.2 EPAの製法
3.3 市場規模
4 ω-3ドコサペンタエン酸(ω-3DPA)
5 エイコサテトラエン酸(ETA)
6 ω-3系脂肪酸の市場/メーカー動向
第4章 腸内細菌によるω-3系脂肪酸の代謝物と生理機能
1 腸内細菌由来のω-3系脂肪酸代謝物
2 腸内細菌の代謝活性ならびにその代謝物の生理機能
2.1 HYAの食後血糖抑制作用
2.2 HYAの腸管バリア保護機能
2.3 オキソ脂肪酸におる肥満に伴う代謝異常症の改善
2.4 エノン脂肪酸,水酸化脂肪酸の脂肪組織における抗炎症活性
第5章 脂質メディエーター
1 概要
2 プロスタグランジン(PG)
3 ロイコトリエン(LT)
4 リゾホスファチジン酸
5 スフィンゴシン-1-リン酸
第6章 17,18-EpETEの抗アレルギー作用
1 アナフィラキシーの抑制
2 食物アレルギー抑制
3 アレルギー性皮膚炎の抑制
4 アレルギー性鼻炎抑制
第7章 ω-3脂肪酸と動脈硬化
1 主な動脈硬化予防食品
2 ω-3系脂肪酸と動脈硬化予防
3 ω-3系脂肪酸が動脈硬化を予防するメカニズム
4 ω-3系脂肪酸のその他の作用
5 抗炎症,抗アレルギー作用食品
6 ω-3系脂肪酸と抗炎症,抗アレルギー作用食品
第8章 プレバイオティクス&プロバイオティクス食品市場
1 プレバイオティクス食品市場
1.1 概要
1.2 主なプレバイオティクスとプレバイオティクス含有食品
2 プロバイオティクス食品市場
2.1 概要
2.2 主なプロバイオティスとプロバイオティクス含有食品
第9章 保健機能食品市場
1 保健機能食品制度
2 特定保健用食品(トクホ)制度
2.1 概要
2.2 市場動向
2.3 ω-3系脂肪酸含有商品
3 栄養機能食品制度
3.1 概要
4 市場動向
4.1 製品動向
5 機能性表示食品制度
5.1 概要
5.2 市場動向
5.3 製品動向
第10章 高度不飽和脂肪酸(PUFA)の食品への応用
1 EPA,DHA含有食品の主要メーカーと製品
2 α-リノレン酸含有食品の主要メーカーと製品
3 ω-6系脂肪酸含有食品のメーカーと製品