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RLB223083
光機能性有機・高分子材料における新たな息吹
販売価格(税込):
88,000
円
ポイント:
800
Pt
■体裁:B5判・333頁
■発刊:2019年4月15日
■ISBNコード:978-4-7813-1414-3
■シーエムシー出版
【監修】
市村國宏
【刊行にあたって】
光機能性高分子関連の書籍を読み直すと、フォトリソグラフィー、光デジタル記録、液晶部材、UV硬化をはじめ、その折々の産業基盤技術に組み込まれた材料やプロセス技術が取り上げられおり、高度成長期以降のわが国における先導的産業の盛衰が浮き彫りとなる。たとえば、半導体、太陽電池、家電、表示装置などである。しかし、最終製品の生産地が海外に移っても、部材や生産プロセス装置などの要素技術が劇的に変わることはない。この意味で、時代が要請する部材としての光機能性材料には、たゆまぬ深化および進化が求められる。
本書では大学ならびに公的研究機関で取り組まれている光機能性有機・高分子材料に関する研究を取り上げている。この膨大な研究分野のカバーすることには容量的に制約があるが、研究者間での啓発を促すとともに、産業界における部材開発におけるヒントとなることを期待している。
(まえがきより抜粋)
【著者】
市村國宏 東京工業大学名誉教授
秋山陽久 (国研)産業技術総合研究所
齊藤尚平 京都大学
則包恭央 (国研)産業技術総合研究所
松澤洋子 (国研)産業技術総合研究所
小畠誠也 大阪市立大学
持田智行 神戸大学
宇部 達 中央大学
池田富樹 中央大学;中国科学院理化技術研究所
佐々木健夫 東京理科大学
田口 諒 東京工業大学
赤松範久 東京工業大学
宍戸 厚 東京工業大学
古海誓一 東京理科大学大学院
川口 茜 東京理科大学大学院
青木瑠璃 東京理科大学大学院
古川真実 東京理科大学大学院
早田健一郎 東京理科大学大学院
府川将司 東京理科大学大学院
吉田絵里 豊橋技術科学大学
工藤宏人 関西大学
青木健一 東京理科大学
中野英之 室蘭工業大学
生方 俊 横浜国立大学
長井圭治 東京工業大学
永野修作 名古屋大学
原 光生 名古屋大学
関 隆広 名古屋大学
髙島義徳 大阪大学
大﨑基史 大阪大学
原田 明 大阪大学
北山雄己哉 神戸大学大学院
高田健司 北陸先端科学技術大学院大学
金子達雄 北陸先端科学技術大学院大学
川月喜弘 兵庫県立大学
近藤瑞穂 兵庫県立大学
森本正和 立教大学
入江正浩 立教大学
武藤克也 青山学院大学
阿部二朗 青山学院大学
桑折道済 千葉大学
舘 秀樹 (地独)大阪産業技術研究所
陶山寛志 大阪府立大学
松川公洋 京都工芸繊維大学
有光晃二 東京理科大学
岡村晴之 大阪府立大学
齊藤 梓 山形大学大学院
川上 勝 山形大学大学院
古川英光 山形大学大学院
中川 勝 東北大学
【目次】
【第1編 序論】
第1章 光機能性有機・高分子材料を概観する
1 はじめに
2 光機能性有機・高分子材料とは
3 材料の多様性と機能発現
4 有機・高分子材料研究の背景
5 下学上達
【第2編 光機能性分子材料】
第1章 脱着可能な光硬化接着剤
1 はじめに
2 光反応の選択
3 アゾベンゼン系の高分子材料
4 高分子構造の制御
5 共重合体
6 架橋性樹脂
7 まとめ
第2章 光剥離可能な液晶分子接着
1 はじめに 〜光応答材料を利用した接着剥離〜
2 光で剥がせる接着材料に求められる要件
3 強く接着する機能
4 光で溶ける機能
5 迅速に剥がれる機能
6 さいごに
第3章 有機結晶の光誘起相変化による動的挙動
1 はじめに
2 アゾベンゼンの光異性化反応
3 アゾベンゼンの異性化に伴う光誘起固液相転移
3. 1 環状化合物
3. 2 棒状化合物
4 動的挙動
4. 1 固体表面上での結晶移動
4. 2 水面上での結晶移動
4. 3 高分子材料との複合化による屈曲運動
5 おわりに
第4章 ナノ炭素材料の光反応性分散制御剤
1 はじめに
2 SWCNTの分散について:なぜ分散技術が重要なのか
3 分散剤の開発:これまでの課題を解決し,次のステージにすすむために
4 分散技術の高度化:光応答性分散剤を利用する
5 おわりに
第5章 ジアリールエテン分子結晶のアクチュエーター機能
1 フォトクロミズム
2 有機結晶のフォトメカニカル挙動
3 ジアリールエテン結晶のフォトメカニカル挙動
4 フォトアクチュエーターへの応用展開
5 光誘起ねじれ挙動
第6章 光機能性を示す金属錯体系イオン液体
1 はじめに
2 サンドイッチ形ルテニウム錯体の光反応の設計
3 光と熱で配位高分子に可逆転換するイオン液体
4 光で多孔性配位高分子に転換するイオン液体
5 おわりに
【第3編 液晶材料と光機能】
第1章 光応答性液晶高分子アクチュエーター
1 はじめに
2 光応答性液晶高分子アクチュエーターの駆動メカニズムと典型例
3 光応答性液晶高分子アクチュエーターの新展開
3. 1 架橋の組替えによる初期形状の自在制御と三次元運動プログラミング
3. 2 複合ネットワークの形成による力学特性・光応答性制御
4 おわりに
第2章 フォトリフラクティブ強誘電性液晶
1 はじめに
2 フォトリフラクティブ効果
3 フォトリフラクティブ強誘電性液晶
3. 1 光導電性キラルドーパント
3. 2 光導電性キラルドーパントの耐久性
3. 3 フォトリフラクティブ強誘電性液晶の作動波長の長波長化
4 おわりに
第3章 光応答性架橋液晶高分子フィルムのソフトメカニクス
1 はじめに
2 面内方向のひずみ解析
3 面外方向のひずみ解析
4 おわりに
第4章 セルロースを原料とするコレステリック液晶
1 はじめに
2 セルロースを用いたコレステリック液晶の研究背景
3 HPC混合エステルの合成と構造解析
4 HPC混合エステルの温度による反射特性変化
5 イオノンを用いたリオトロピック・コレステリック液晶
6 架橋性HPC誘導体によるフルカラーイメージング
7 架橋性HPC誘導体による凹凸センシング
8 まとめ
【第4編 均一構造オリゴマー・ポリマーと光機能化】
第1章 ニトロキシルラジカルを用いる光リビング重合
1 はじめに
2 重合のメカニズム
3 アゾ開始剤および光感受性オニウム塩の構造が分子量制御に与える影響
4 ブロック共重合体の設計
5 光リビング分散重合
第2章 ラダー型環状オリゴマーNoriaの合成と特性,およびその応用
1 はじめに
2 動的共有結合化学(DCC)システムによるNoriaの合成
3 Noriaの包接能
4 Noriaの炭酸ガス吸着能
5 光重合性基を有するNoriaの合成とそれらのUV硬化樹脂材料への応用
6 光反応性基を有するNoriaの合成とそれらのレジスト材料への応用
7 おわりに
第3章 デンドリマーを骨格母体とするフォトポリマー材料
1 はじめに
2 デンドリティックフォトポリマーの大量合成
2. 1 クリックケミストリーを基盤としたデンドリマー骨格母体の大量合成
2. 2 デンドリマーの末端修飾
3 デンドリマーを用いたUV硬化材料の特性評価
3. 1 エン・チオール光重合
3. 2 ポリアリルデンドリマー系UV硬化材料の特性評価
3. 3 ポリノルボルネンデンドリマー系UV硬化材料の特性評価
4 デンドリマーを利用した化学増幅型レジスト
5 おわりに
第4章 アモルファス分子材料の光機能発現
1 はじめに(アモルファス分子材料とは)
2 フォトクロミックアモルファス分子材料とフォトメカニカル機能
3 発光性アモルファス分子材料とメカノクロミック発光機能
4 おわりに
第5章 ビスアントラセン薄膜の光誘起表面レリーフ
1 はじめに
2 光連結性分子材料とその光反応
3 光連結性分子材料の表面レリーフ
4 おわりに
第6章 有機半導体を用いる可視光光触媒
1 はじめに
2 有機薄膜太陽電池との相違点
3 有機半導体光触媒の具体例
3. 1 気相中の反応
3. 2 水相中の反応
3. 3 高効率リアクター設計
4 ナノ構造制御製造の低コスト化,大量生産
5 人工光合成に向けた課題
5. 1 水分解への展開
5. 2 エネルギー利得向上への新設計
6 終わりに
【第5編 超薄膜とホストゲスト】
第1章 液晶ブロック共重合体薄膜におけるミクロ相分離構造の動的光配向制御
1 はじめに
2 低い表面エネルギーを持つコイル鎖を持つ液晶性ブロック共重合体薄膜の配向性と光応答
3 液晶性ブロック共重合体の動的光配向のメカニズム
4 おわりに
第2章 光反応を利用したメソ構造ハイブリッド材料の動的制御
1 はじめに
2 メソ組織体の動的な構造制御と配向制御
2. 1 無機マトリクス中での液晶相の湿度制御と光固定
2. 2 有機無機メソ構造体の自発的な垂直配向
2. 3 クロモニック・メソ構造の光配向
3 ゾル-ゲル材料における光レリーフ形成
3. 1 非晶質ゾルーゲル材料の光レリーフ形成
3. 2 液晶性ゾルーゲル材料の光レリーフ形成と無機材料への変換
4 おわりに
第3章 シクロデキストリンとフォトクロミック分子による光応答性高分子マテリアル
1 緒言
2 シクロデキストリンとホストゲスト相互作用
3 ホストポリマーとゲストポリマーを用いた光刺激によるゾル-ゲル転移
4 ホストゲスト修飾ポリマーゲルによる光刺激応答性超分子アクチュエーター
5 分子マシンのスライドにより伸縮するアクチュエーター
6 [2]Rotaxane からなる超分子アクチュエーター
7 結言
【第6編 光機能性ポリマー】
第1章 界面光反応を利用する機能性高分子微粒子の創製と特性
1 はじめに
2 中空高分子微粒子合成法
3 界面光反応による新規中空粒子創製法
4 カプセル粒子合成
5 還元刺激応答性カプセル粒子
6 異形粒子合成への応用
7 おわりに
第2章 光機能化された桂皮酸系バイオポリマー
1 はじめに
2 桂皮酸系ポリイミド
3 桂皮酸系ポリアラミド
4 おわりに
第3章 シンナメート系ポリマーの光配向と物質移動
1 はじめに
2 シンナメートポリマーの光配向
3 光反応性低分子を複合化したフィルムの光配向
4 光物質移動
5 まとめ
第4章 光反応性材料のUV-Vis高次微分スペクトルによる解析
1 はじめに
2 UV-Vis微分スペクトルの概要および特徴
3 アゾベンゼンポリマーの光異性化反応
4 光二量化型フォトポリマーの光反応挙動
5 結晶光化学反応の解析
6 これからの課題
【第7編 クロミック材料】
第1章 光スイッチ機能をもつ蛍光分子の設計と合成
1 光スイッチ型蛍光分子とそれを用いた超解像蛍光イメージング
2 スルホン化ベンゾチオフェンを有する蛍光性ジアリールエテン誘導体
3 開環反応量子収率の制御
4 超解像バイオイメージングへの応用
5 まとめと今後の展望
第2章 高速フォトクロミック分子を基盤とする高次複合光応答
1 はじめに
2 段階的二光子吸収を利用した可視光増感フォトクロミック反応
3 二つのフォトクロミック部位の相乗効果を利用した高次複合光応答
4 可視光強度に依存して異なる色調変化を示す複合フォトクロミック分子
5 おわりに
第3章 メカノクロミック色素とそれを用いるポリマー薄膜の特性
1 はじめに
2 ポリマー薄膜の作製方法
2. 1 光学的なメカノクロミズム発現
2. 2 メカノクロミック色素の高分子化
2. 3 メカノクロミック色素の分散
2. 4 親和性の高いポリマーへの分散
3 液晶の付与と軸選択的応答性
4 おわりに
第4章 ポリドーパミンからなるバイオミメティック構造色材料
1 はじめに
2 ポリドーパミンとは
3 メラニン模倣体としてのポリドーパミン
4 人工メラニン粒子の作製と構造発色
4. 1 ポリドーパミン粒子
4. 2 ポリドーパミンをシェル層とするコア-シェル粒子
4. 3 構造色の角度依存性
4. 4 中間構造色の発現
4. 5 インクとしての応用展開
5 おわりに
【第8編 応用展開】
第1章 光分解性架橋剤を用いる剥離性粘着剤
1 はじめに
2 光分解性架橋剤とその性能
3 光分解性架橋剤の剥離性粘着剤への応用
4 光分解性架橋剤を用いた様々な応用
5 終わりに
第2章 光チオールエン反応による有機無機ハイブリッド材料
1 はじめに
2 光チオールエン反応
3 チオールエン/ゾルゲル同時反応による有機無機ハイブリッド
4 チオール基含有シルセスキオキサンによる有機無機ハイブリッド
5 おわりに
第3章 光塩基発生剤の開発とUV硬化への応用
1 はじめに
2 新規光塩基発生剤の構造と特性
2. 1 第一級アミン,第二級アミン発生系
2. 2 第三級アミン,有機超塩基発生系
3 光塩基発生剤の応用例
3. 1 エポキシ樹脂のアニオンUV硬化
3. 2 光誘起レドックス開始重合
3. 3 アクリラートの光アニオン重合
4 おわりに
第4章 深紫外線を用いる光硬化樹脂
1 はじめに
2 深紫外LEDを用いたラジカル系光硬化樹脂の作製
3 深紫外LEDを用いたカチオン系光硬化樹脂の作製
4 おわりに
第5章 光重合による3Dゲルプリンター
1 はじめに―3Dプリンターについて―
2 3Dゲルプリンター
3 3Dゲルプリンターでの造形に適したゲル材料
4 3Dゲルプリンターで作ったゲルの物性
5 機能性ゲルの造形
6 まとめ
第6章 ナノインプリントリソグラフィにおける光機能材料
1 はじめに
2 光ナノインプリント法における光機能材料
2. 1 ポジ型レジスト材料によるモールド作製
2. 2 レーザー加工孔版による光硬化性液体の基板への配置
2. 3 光硬化性液体によるモールド空隙の充填
2. 4 蛍光性液体によるモールドと基板の位置合わせ
2. 5 蛍光レジストの離型
2. 6 ネガ型・有機-無機ハイブリッド型レジスト材料によるドライエッチング
3 一桁ナノ造形を目指した成形材料の開発
4 おわりに