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高齢者用食品の開発と市場動向

販売価格(税込): 93,500
ポイント: 850 Pt
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■体裁:B5判・295頁
■発刊:2019年3月1日
■ISBNコード:978-4-7813-1408-2
■シーエムシー出版

【編集】
シーエムシー出版編集部

【刊行にあたって】
 65歳以上の高齢者の人口は2012年に3,000万人を上回った後も増加し続けており,2025年には総人口の30%超に達し,2042年にはピークを迎え3,935万人になると予想されている。また,2017年以降は65~75歳の前期高齢者よりも75歳以上の後期高齢者の人口が多くなっており,これまで以上のサポートが求められるようになっている。
 高齢者は身体機能が低下することから摂食能力が低く,低栄養など健康に問題を抱えやすい。また,健康状態の個人差が大きいことから個々人に応じた食の支援が行われており,さらに近年では高齢者のQOLの向上が進められていることから,各食品メーカや介護施設などが健康への機能だけでなく味や見た目など,様々な面で工夫を凝らした商品やサービスを上市している。これらのことから高齢者用食品の市場規模は2017年に1,500億円を超え,2020年には1,700億円,2025年には2,000億円になると推測され,さらなる市場の成長が見込まれている。
 本書籍では,高齢者用食品について,「開発と技術動向編」と「市場動向編」の2編に分け,高齢者用食品の近年の動向を取り上げた。「開発と技術動向編」では介護や高齢者用食品の開発/製造に携わる研究者や関係者の方々に,最新の研究や技術開発などについてご執筆いただいた。主に1章から4章では高齢者の特徴と高齢者用食品に要求される特性について,5章から9章では実際の技術・商品開発や行政での取り組みについてご紹介いただいた。「市場動向編」では第1章で高齢者をとりまく現状と高齢者用市場の概要について,第2章/第3章では一般・特定高齢者向け/要支援・要介護高齢者向けの機能別食品市場動向についてそれぞれ紹介している。また,第4章では各メーカの,第5章では販売チャネルごとの市場動向を取り上げている。
 高齢者用の食品は現在も発展を続けており,今後の市場の成長も見込まれている。本書籍が読者の皆様のご参考になれば幸いである。

【著者】
藤谷順子  (国研)国立国際医療研究センター病院
熊谷 仁  共立女子大学
秋間彩香  共立女子大学
谷米(長谷川)温子  日本大学
二宮和美  共立女子大学
高橋将記  早稲田大学
柴田重信  早稲田大学
神山かおる (国研)農業・食品産業技術総合研究機構
江口智美  山形県立米沢栄養大学
吉村美紀  兵庫県立大学
坂本宏司  広島国際大学
中津沙弥香 広島県立総合技術研究所食品工業技術センター
上河内光秀 農林水産省
船見孝博  三栄源エフ・エフ・アイ(株)
小林久峰  味の素(株)

【目次】
【開発と技術動向編】
第1章 高齢者の嚥下障害と支援
1 嚥下障害とは
2 正常の嚥下と求められる機能
3 高齢者の嚥下機能
4 高齢者の嚥下障害への支援
5 嚥下障害と食形態
6 高齢者の食事における食形態以外の要素

第2章 増粘剤溶液のレオロジーと高齢者用食品におけるとろみ調整
1 はじめに
2 液状試料のレオロジー
2.1 粘度
2.2 物質の粘弾性
2.2.1 小変形下における粘弾性の概念
2.2.2 動的粘弾性
2.2.3 液体の動的粘性率と流動粘度μとの関係―Cox-Merzの経験則
2.3 Texture Profile Analysis (TPA)
3 超音波パルスドプラー法による咽頭部における食塊の咽頭部流速分布測定
3.1 食塊の咽頭部流速分布と最大流速Vmaxの算出法
3.2 増粘剤溶液の物性と咽頭部最大流速Vmaxの関係
4 まとめ

第3章 高齢者における時間栄養学・時間運動学視点に基づく健康増進
1 要約
2 体内時計とは
3 加齢と体内時計との関連
4 時間栄養学とは
5 時間栄養学的視点に基づく生活習慣病予防
6 高齢者における時間栄養学の活用
7 時間運動学の高齢者への応用の可能性
8 まとめ

第4章 高齢者用食品の現状とその物性評価
1 はじめに 超高齢化する世界
2 超高齢社会での食品ニーズとユニバーサル化
3 ライフステージと食べる能力の変化
4 介護食品の区分
5 高齢者の食べる能力と食品のあり方

第5章 エステル化タピオカ澱粉を混合したうどんの高齢者用食品としての適性
1 はじめに
2 ETS混合麺の物性・咀嚼性・嗜好性に及ぼすゆで時間の影響
3 うどんの物性・咀嚼性・嗜好性に及ぼすETS濃度の影響
4 おわりに

第6章 凍結含浸法を用いた介護用食品の開発
1 凍結含浸法について
2 凍結含浸法を利用した高齢者・介護用食品の製造
3 凍結含浸法を利用した高齢者・介護用食品の特徴
3.1 軟化素材の栄養成分,消化性
3.2 軟化素材の生体計測法によるテクスチャー評価
3.3 凍結含浸法による形状保持軟化調理食品の臨床評価
4 凍結含浸介護食の安全性評価と新規嚥下造影検査食の開発
5 凍結含浸法を利用したイノベーション

第7章 農林水産省におけるスマイルケア食の取組
1 スマイルケア食の取組の経緯
2 スマイルケア食の基準
3 スマイルケア食普及に向けた今後の取組
4 スマイルケア食の海外展開

第8章 多糖類による高齢者食品とろみ調整技術の最新情報
1 はじめに
2 とろみ調整食品の変遷
3 とろみ調整食品に求められる機能
4 第三世代とろみ調整食品におけるキサンタンガムの有用性
5 次世代のとろみ調整食品「サンサポート® SX-2」および「サンサポート® SX-3」
6 飲み込みやすさ(嚥下性)の定量的解析
6.1 増粘剤溶液のレオロジー特性と食塊の咽頭相通過速度
6.2 増粘剤溶液のレオロジー特性と嚥下音解析
7 おわりに

第9章 アミノ酸による高齢者サルコペニア対策
1 加齢によるサルコペニア
2 生体におけるタンパク質とアミノ酸の代謝
3 高齢期における筋タンパク質代謝の特徴
4 高齢者の筋タンパク質合成に与えるアミノ酸の影響
5 サルコペニア対策としてのアミノ酸の効果
6 おわりに

【市場動向編】
第1章 高齢者用食品の市場概況
1 概要
1.1 高齢者用食品の概要
1.2 保健機能食品の概要
1.2.1 特定保健用食品
1.2.2 栄養機能食品
1.2.3 機能性表示食品
1.3 高齢者用食品の分類
2 市場動向

第2章 一般・特定高齢者向け機能別食品市場動向
(各項共通:①概要, ②製品・参入メーカー)
1 慢性腎臓病予防・改善食品
2 糖尿病予防・改善食品
3 低栄養予防・改善食品
4 栄養調整食品
5 プロバイオティクス
6 サプリメント類

第3章 要支援・要介護高齢者向け機能別食品市場動向
(各項共通:①概要, ②製品・参入メーカー)
1 とろみ・ゼリー化食品と添加剤
2 やわらか食品
3 栄養補給食品
4 除去食
5 加工食品
6 濃厚流動食
7 経口補水液

第4章 企業動向
(各項共通:①概要, ②製品, ③企業動向)
1 アサヒグループ食品
2 味の素
3 エバースマイル/大和製罐
4 越後製菓
5 太田油脂
6 大塚製薬
7 カゴメ
8 カセイ食品
9 亀田製菓
10 キッコーマン
11 キッセイ薬品工業/キッセイヘルスケア
12 キユーピー
13 クリニコ
14 シダックス
15 創健社
16 大冷
17 タカキベーカリー
18 タナカフーズ
19 辻安全食品
20 テーブルマーク
21 堂本食品
22 とらや
23 日清オイリオグループ
24 日東ベスト
25 日本ケアミール
26 ハウス食品
27 フードケア
28 ふくなお
29 ホリカフーズ
30 明治
31 名阪食品
32 ヤヨイサンフーズ

第5章 チャネル別市場動向
(各項共通:①概要, ②参入事業者)
1 概要
2 小売り・量販店
3 宅配サービス
4 施設サービス
5 給食サービス
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